私立高校の事前相談会について、少しお話します。

今年は2月10日(水)が私立の入試日に当たっていますが、
中学校では、もう2学期の終りには私立の受験校を決定させ、
年明けすぐに、生徒たちの資料を持って高校へ打診に行きます。
これが事前相談会です。

事前相談会には、クラス毎ではなく、
学年団の先生や教頭が、それぞれ自分の担当する高校を決め、
その高校を受験する生徒の資料を持って、出向きます。

資料には、最新3回分の実力テストの結果、
そして副教科を含めた評定や出席状況などが含まれています。

各高校には相談会の会場(教室)が設けられており、
午前午後、そして日替わりで、幹部クラスの先生が対応してくれます。
そこで中学校の先生は、生徒の資料を見せて、合格する可能性を打診するのです。

高校は、それぞれ合格基準を設けています。
たとえば実力テストの合計点が380点以上とか、5段階評価で1が無いこと、
副教科の成績が極端に悪くないこと、等です。

そして、その基準をクリアしている生徒は○、
ギリギリの生徒は△、
下回っている生徒は× という返答をします。

なら、わざわざ中学校から先生が出向いて打診する必要はないのでは?
資料だけ送って結果を聞き、ダメなら志望校を変えればいいだけのことでは?

それがそうではないのです。

私学は企業と同じですから、
お得意様(たくさん生徒を送ってくれる中学校)には、
多少なりとも態度を軟化させてくれます。

「この生徒は貴校の基準を若干下回っていますが、
とても頑張り屋なので、貴校に入学を許されたら、マイナス分を挽回できると思いますので・・」

「そうですか。ならば、いつも貴校にはお世話になっていることもありますし、うちで預かってもいいですよ」

みたいな感じです。

また、基準をクリアして○を貰っている生徒が、
当日体調不良で調子が出ず、目も当てられない点数を取ったとしても、
わざわざ一対一で面談を果たした先生から頼まれた生徒を、非常にも不合格にするわけにはいきません。
○、すなわち確約。
よほどのことがない限り、○の付いた生徒は合格にしなければならないというのが、
事前相談会の本当の真意なのです。

その代わりに高校側は、お得意様からは毎年決まった量の生徒を頂けるので安泰。
しかも成績のいい生徒の併願校として自校を薦めて貰えるので、偏差値も上がりますよね。

まだあります。

学校と言えど企業と同じならば、
私学は企業と同じくコネがモノを言う世界でもあります。

相談会の担当に当たっている先生の知り合いが、
資料を持って中学校や学習塾からやってくる場合があります。

例えば中学校の校長先生。
自分の教え子が高校の先生になり、今相談会の担当者となっているとしたら?
これぞ最強のコネですよね。
かなり無理を言ってきますよ。基準より50点も足りないのにゴリ押ししてきます。
けれど担当者はイエスと言うしかないのです。

今一例を挙げましたが、私学受験はこういうシステムになっているのです。

しかしながら、私はこのシステムを批判しているわけでは一切ありません。
むしろその逆です。

中学生と言えば13歳から15歳までの、不安定極まる状態の子供達ですよ。
そんな子供たちが過ごした3年間を、点数だけでバッサリ切るのはどうなのでしょう?
不登校だったとしても、問題行動を起こしたことがあっても、
通知表はアヒルの行進だったとしても、
我々大人は、彼らに仕切り直しのチャンスを与えてあげるべきではないでしょうか。

その生徒の指導に置いて、一番頭を悩ませた
中学校の先生が、白髪頭を深々と下げて高校側にお願いするのです。
その生徒が再び這い上がってくる可能性を感じたからに他ありません。
高校だってイエスマンではありません。
渋々入学させてやった生徒が、入学後やっぱり問題行動を起こして退学になったという実績があれば、
いくら頼まれてもバッサリと断りますよ。
そうではなかったケースが多々あるからこそ、引き受けるのです。

数字上で判断せず、人と人との信頼の上で成り立っているのが、
事前相談会だと私は思っています。

実は私もこの確約コネシステムを利用させてもらっているんですよ。
私は高校側に知り合いがちょこちょこいるので、
成績は確かに酷いものだけど、高校に入ったら絶対に化ける(成績がグンとアップする)と感じた生徒を、
「私が責任もって入学後を保証する」旨を一筆書き、高校の担当者に渡します。
そしてその先生が担当する日時に、中学校の先生に出向いて貰う手筈を取ります。
これで生徒は合格です。

そのおかげで中学校時代は不登校だった生徒の様子が、
高校入学後、一変します。
部活も楽しみ、好成績で卒業し、大学進学率に貢献してくれるわけなので、
高校側からは感謝されることはあっても、文句などは一切出ません。

ということなので、併願専願に関わらず、私学受験をされる方は、
事前相談会から先生が帰ってきて志望校を変えろと言ってこなかったら、
もう合格したも同然です。
第一志望に向けてそっちの勉強に励むべし、です。

そして使えそうなコネは徹底的に使ってくださいね。